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釜山の教員・市民の方達に話したこと1

 投稿者:増田都子  投稿日:2006年 5月14日(日)19時27分7秒
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   こんにちは。私は増田都子と申します。東京の靖国神社のすぐそばにある九段中学校の教員をしていました・・・残念ながら過去形です・・・釜山までお招きいただきまして、たいへん、ありがとうございます。うまく話せるかどうか、今、胸がドキドキしています。

 私は33年の教員生活の間、生徒達に「女は度胸! 男は愛嬌!(女性は大胆で肝っ玉が太いのが魅力的! 男性は、自己主張せず、いつもニコニコ愛想良くするのが魅力的!)」と教えてきました。

 これは、実は本来は反対の意味の言葉なのです。「男は度胸! 女は愛嬌!(男性は大胆で肝っ玉が太いが魅力的! 女性は、自己主張せず、いつもニコニコ愛想良くするのが魅力的!)」と、女性差別のニュアンスが濃いのです・・・韓国にも、こういう言い方があるでしょうか?

 私は、それを逆に教えていたのです。でも、ここ10年くらいは、全く、こういうことを教える必要がなくなりました。

 教えなくとも「度胸」のある女の子達ばかりになったからです!?

 そこで、私も、生徒達に教えてきたことを自ら実行して、「度胸」を持って皆様に日本の東京の教育界の現状・・・それは、もちろん、現在の日本社会の現状ということになりますが・・・を話したいと思います。

 先ほど私は「教員をしていました」と過去形で言いました。しかし、私は、教えることがイヤになったから自らの意志で退職したのでも、定年になったから退職したのでもありません。定年までは、あと4年ありました。私は東京都教育委員会によって教員であることを「やめさせられた」のです。解雇されたのです。

 日本の学校の1年の最後の日は3月31日(韓国では2月28日でしょうか)ですが、勤務時間終了から1時間かかって千葉県にある自宅に帰り、午後6時45分に郵便受けに入っていた東京都教育委員会の「封筒」を開封したら「免職処分」の紙切れが入っていました。

 さて、私は、どんな悪いことをした教師なのでしょうか? 皆さん、私が悪いことをするような教師に見えますか?

 見えませんよね!?

 皆さんの、人を見る目は、正しい!

では、なぜ、東京都教育委員会は、私を「教師不適格」として「免職処分」などにしたのでしょうか?

 それは、去年のノ・ムヒョン大統領の3・1演説を授業の教材として取り上げ、生徒達に手紙を書かせ、私も手紙を書き、それをまた、教材にして授業をしたことが原因でした。
私がなぜ、ノ・ムヒョン大統領の3・1演説を授業の教材にしたかと言いますと、ちょうど、歴史の授業で「日本の侵略と植民地支配」についての学習を終え、「戦争責任」を考えさせていた時だったのでタイミングが良かったからです。

 皆さんの大統領への評価は、いろいろあると思いますが、あの3・1演説は、韓国民だけに対するものではなくて、率直に日本人に対して歴史への反省を呼びかけたものとして、現代の日本に生きる生徒達に日韓の真の和解のためにはどうすればいいかを、よく考えさせる、良い教材となると考えました。

 特に私は、大統領演説の中にあった「法的、政治的関係の進展だけでは両国の未来を保障することはできないでしょう。もしそうであるならば、やるべきことをすべてやったと言うことはできません。それ以上の実質的な和解と協力の努力が必要であります。真実と誠意を持って、両国の国民間を塞いでいる心の障壁を崩し真の隣人として生まれかわらなければなりません。」というところに感銘を受けました。たいへん貴重な問題提起だと思います。

「真実と誠意を持って、両国の国民間を塞いでいる心の障壁を崩し真の隣人として生まれかわ」るためには、日本人は、何をしていかなければならないかを生徒達とともに考えました。そして生徒達の大統領への手紙を読めば、生徒たちは「真の和解のためには何が必要か」を良く理解したと思います。

ここで、私の「紙上討論」授業について説明します。

 私は1973年、東京都の中学校社会科教員に採用されて以来、日本の平和憲法の下、過去の侵略の歴史への反省や、平和と民主主義の大切さを教えることに努力してきました。そして、生徒たちの創造力を伸ばすために「紙上討論」という授業方法を授業の中に導入しました。

 これは、日本の明治時代以降の「富国強兵」「帝国憲法」「侵略戦争と植民地支配」「戦争責任問題」「原爆問題」「日本国憲法」などについて、生徒たちに意見を書かせ、それを元に討論し、さらに意見を書かせるというやり方で進めていくものです。口頭ではなく、必ず意見を紙に書いて、それをプリントして読み合い、また意見を書き、それをプリントして、さらにまた紙上で討論するので、これを「紙上討論」と名付けています。
なぜ、口頭での討論をしないかというと、口頭だと口の達者な生徒が反対意見を言い負かすことが多くなり、いろいろな意見を参考にしながら、ゆっくりとじっくりと考えて自分の意見をまとめる、という一番大切なことがおろそかになると思うからです。この紙上討論授業によって、生徒達の思考力、表現力を伸ばすとともに、生徒たちの社会への認識能力を高めたと、私は確信しています。
 
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