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原発アウトロー達の青春

 投稿者:MSNニュースからの引用  投稿日:2012年 4月15日(日)15時43分32秒
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  文・久田将義(ナックルズ発行人)

  世界最悪の福島第1原発(通称1F)の事故から1年が経った。
  昨年、3月11日から数カ月、新聞、テレビは煽るかのように原発事故を報じた。3月12日の1号機爆発から翌日は「炉心溶融か」「メルトダウンも」といった見出しが新聞紙面に躍る。
  僕は現場主義者なのでまずは現地の被災者の声や放射線を浴びながら、熱中症で倒れながら作業をしている人たちの肉声が大事だと直感的に思った。現在の報道で欠けているのはそこではないか、と。
  現にドイツのZDFやイギリスのBBC等は作業員のインタビューを開始していた。日本のテレビも作業員のインタビューを取ってはいたがそれは3月11日以降、現場で働き1カ月くらいで終了した人の声で(それはそれで貴重だが)、僕は原発の街で生まれ、被災者となり3.11以前から原発作業に従事し、3.11の午後2時46分を体験。その後も復旧作業をしている人たちの心象を知りたかった。「知りたかった」というより、1人でも多くの方に知って頂きたかった。
  6、7人の人間に話を聞く事が出来た。40代から20代。20代は少年時代ヤンチャをしていた人間が多かった。そして彼らの声をまとめた。
  なぜ20代か。それはこれからの日本を背負っていくのは彼らのはずなのに置かれた環境の劣悪さに愕然としたからだ。
    ある人間は外部被曝、20ミリ、内部被曝5000CPM。しかし、彼らは将来子どもを持ち、日本を支えて行く人達であるのに、政府や東電の彼らに対する「使い捨て」状態の現実。「現代の悲劇」とさえ思った。
   1回につき4時間くらいインタビューをし、酒を飲み彼らとの親交を深めていった。それをまとめた本を3月末に『原発アウトロー青春白書』(ミリオン出版)として上梓した。そこには無骨で乱暴だが極めて全うな作業員たちの声が描かれていると思う。この本ではひたすら僕は彼らの代弁者に徹した。一番衝撃を受けたのは放射線を浴びる事を彼らは「線量を食う」という表現をしていた点。何と生々しい。
   「おめえ、今何ミリ食ってんの? は?18?それじゃ建屋は入れないじゃん。俺、先月で20ミリ食ってるし」
という具合である。
   彼らの心象も届けたい。
   「俺ら原発で飯食ってきたじゃん。ワケわかんねえ奴が復旧作業するより俺らが作業やった方が早いべ」
  「でも、俺ら何やってんのかな。今やってる作業で原発良くなんの。福島良くなんの? 思わねえべ。そんな事。俺なんか内部被曝下がんないし。分かってんだよ、いつか(症状が)出てくるの。だって少しずつ、俺らの寿命縮まってるかもしれないんだぜ」
  世田谷で放射線が出ていた場所があるというニュースが報じられた事があった。
  「だったら相馬測れって話なんすよ。......でも仕方ないんだよ。世田谷って言ったら全国誰でも、あ、東京だってわかるけど相馬なんかわからねえべ。だってマイクロシーベルトだぜ。俺らミリシーベルトだっつうの」
    注)1ミリシーベルト=1000マイクロシーベルト
  そして、僕に静かに語りかけてくる。20代の若者たちが。
  「久田さん、日本に順位ってあるんすかね? 東京が上で福島が下なんすかね? ......でもそれも仕方ないんだべ」と。
  それが引いては「福島差別」「放射能差別」に通じるものがある事を僕は知っている。
  曰く「福島ナンバーの車が来たら避ける」「福島の人が作った食べ物はいらない」と言ったものだ。言語道断ではあるがそういう醜い現実がある。
  現在、原発は廃炉にする方向で進んでいる、とされる。しかし、現場の印象はそうではない。まず無傷とされている1F 5、6号機。そして第2原発(2F)の燃料棒がなぜ取り出されていないのか。もう1年以上経っているのに、である。東電は密かに再稼働を目論んでいるのではないか。それ以外にも瓦礫撤去という大問題が目の前にある。例えばTPP問題ではすぐに人は亡くならない。原発は人の生死の問題がかかっている。
  「まだ福島は終わっていない」。そんなメッセージを込めて『原発アウトロー青春白書』を書いたつもりだ。現に、1Fの4号機は現場から見ても「ヤバいですね。放射線が今までなかった場所にあったりしてますから。4号は上からのぞいてはダメ(危険)だとも言われました」(作業員)という。
  一企業の事故によって、日本の国土の一部が何十年に渡って失われようとしている。これはもはや「公害」といって良い。それを考えれば電気料金の値上げなどもってのほか。そして野田首相には国民の生命の財産を守る義務がある。これをまず、第一にやらなければならない。それをやらない現政権を僕は、支持する事は出来ない。

http://donicchi.jp.msn.com/opinion/hisada_masayoshi/article.aspx?cp-documentid=6007270&page=0

 
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