スレッド一覧

他のスレッドを探す  スレッド作成

新着順:5/590 記事一覧表示 | 《前のページ | 次のページ》

4%の賃上げを

 投稿者:引用  投稿日:2013年 4月 5日(金)19時06分52秒
  通報 編集済
  富士通総研の根津 利三郎氏の主張を以下引用する。


【2%のインフレ目標達成には4%の賃上げが必要だ】2013年3月21日(木)

 自公連立政権は「名目成長率3%以上の経済成長を目指す」と公約している。なので、これを3.5%の成長率として、労働分配率を不変とすれば、物価を押し上げるけん引役となる民間消費支出の源泉となる雇用者所得も年率3.5%の伸びが必要になる。

 2%の物価上昇を実現するためには、実はそれだけでは足りない。日本の生産労働者数は毎年0.5%ずつ減っていくから、1人当たりの賃金は毎年4%(3.5%+0.5%)上がらなくてはならない。先進国の賃金上昇率もおおむね3~4%だ。日本の賃金総額は245兆円だから、これは10兆円に相当する。

 そもそもなぜインフレ目標値は2%なのか。それはほかの先進国がおおむね2%を目標としているからだ。だとすれば賃金についてもほかの先進国並みの上昇率としないと議論の辻褄が合わない。

 毎年10兆円の賃金の負担増は、デフレを収束させるため、製品価格に転嫁されることが望ましい。賃上げにより消費者の購買力が上がれば、転嫁も容易になるであろう。賃金増が価格に転嫁されるまでには時間がかかるかもしれず、一時的に企業の負担が発生するかもしれない。しかし円安による収益の改善が見込めるので、この程度の負担は決して過大とは考えられない。

 日本の需給ギャップは昨年末の時点でGDPの2.7%、13兆円程度であった。10兆円の賃金増が消費に回れば需給ギャップは相当縮小する。設備投資や輸出の増加が加われば、需給全体が締まり、自律的な物価上昇と雇用増加が可能になる。

 春闘に代わる賃金決定メカニズムが求められる

 2004年1月、経団連会長であった奥田碩氏は「春闘は死語になった」と言ったという。だが、賃金水準が先進国中で下位になり、労働分配率も他の先進国並みに下がった今、雇用者所得の安定的拡大は経済成長にとって不可欠の要素になりつつある。

 これを実現するためには賃金や労働条件を交渉するための新たな「場」が必要だ。我が国の労働組合は基本的に企業別組合であり、会社の維持、存続が最大眼目になっている。こうした背景の下、労働者の賃金は企業収益に見合った賃金になっていない。

 一方ヨーロッパ諸国の場合、労働者は産業別、職種別に組織化されており、組織率も6~7割と我が国より大幅に高い。ドイツの場合、監査役会に労働組合や従業員の代表が入っており、賃金も含め企業経営全般を監視している。ユーロ危機以降、他の欧州諸国との競争力格差を縮小するため、賃上げを加速している

 他方、米国の場合、組合組織率は日本よりも低く、移民労働者も多いので賃金はあまり上昇していない。だが今年になってオバマ大統領は最低賃金の引き上げを打ち出した。拡大する一方の格差を賃金の面からも是正しようとしている。これが実現すると日本の法定最低賃金は先進国中最低になる
 賃金の低迷は製造業よりも流通やサービスなど非製造業のほうが顕著だ。国際競争にさらされている製造業よりもそうでない産業の賃金が大幅に下がっている。世界的に見ても、低賃金は流通やサービスで見られる。これは「貿易自由化が進むと低賃金が蔓延する」という反グローバリズムの主張がかならずしも正しくないことの証拠である。

 同時に、このような低賃金産業をどうするのか、という問題を提起する。低賃金雇用はスーパーマーケットのレジ係とかレストランの給仕など、ほとんどスキルを必要としない単純労働で、パートやアルバイトなど非正規雇用が多い。

 我が国では、非製造業の非効率が特に目立つ。今まで、非効率企業であっても低賃金労働を支えにかろうじて生きながらえてきた、というのが実情だろう。このような非効率企業には市場から撤退してもらい、より効率的な企業に置き換わるのが望ましい。ある程度の賃上げは、市場からの撤退をうながすふるいの役目を果たすだろう。この意味で最低賃金の引き上げを考える余地がある。

 最低賃金の引き上げには、雇用主のみならずエコノミストからも「雇用機会を減らす」として反対が多い。だが低所得層の賃上げは消費を盛り上げるのに有効な手段である。労働者が、賃上げについていけない企業から効率の良い企業へ、あるいは別の産業に移動することは経済全体の生産性向上に資するものだ。

 生産性と労働分配率を賃金決定の原則に

 高度成長時代 日本の経営陣は「生産性上昇に見合った賃上げを」と主張していた。賃金が生産性を大きく超えて上昇すれば国際競争力が失われるのみならず、インフレで労働者も結局は損する、というのが論拠だった。実際に、賃金上昇率は生産性の向上を超えることが多く、インフレ率は5%を超えることもあった。
 バブルの崩壊後、この関係が逆転し、生産性の向上が続く中で賃金は下落し、デフレとなった。これからの賃金決定に当たっては生産性に見合った賃金を原則に、予想されるインフレ率を加味して決めるべきだ。データに基づいた議論をするべきである。

 生産性とともに賃金決定の指針となるのは労働分配率だ。労働分配率は世界的に低下傾向にあるが、日本の下落のスピードは他国を上回っている。国際的な動向も見ながら我が国としての適切な分配のあり方を議論すべきだ。「厳しい経営環境なので、会社が元気になるまで賃上げは待ってほしい」というつかみどころのない議論は終わりにしたい。

 日本はいつの間にか格差社会になっている

 日本人は「一億総中流」の平等社会であることを誇りに思ってきた。しかし今では先進国の中で米国、英国、豪州に次ぐ格差社会である。社会保障による再配分機能がヨーロッパ各国ほどでないことが理由の1つだ。これに加えて、正規労働者と非正規労働者の賃金格差も大きな原因となっている。貧困率も高まっており、特に、シングル・マザーや児童の貧困率は高い。若者を中心に広まる貧困は出生率の低下をもたらし、日本の将来に暗い影を投げかけている。家計の貯蓄率も下落し今や米国よりも低くなっている。

 今後賃上げが現実的な課題になる時には、格差を是正するべく、若者や貧困層に厚くすべきだ。これとは反対に「格差是正は賃金ではなく、社会保障で対応すべきだ」という議論もある。だが高齢化に伴って社会保障制度への負担が増大していることを考えれば、賃金も所得再配分の一翼を担うべきではないか。
 残された時間は少ない
 アベノミクスは投資家や経営者に楽観的な「期待」を与え、株高や円安をもたらした。だが、円安に伴う輸入サイドのコストアップなど、マイナスの影響がこれからじわじわと顕在化する。欧州、米国、中国など主要国の経済が不安材料に満ちているなかで、日本経済の成長基盤を確実にするためには、国内需要を活性化させる必要がある。そのための最大の課題はGDPの6割を占める個人消費を安定的に拡大させることであり、賃上げは不可欠だ。アベノミクスはこれまでのところ「期待」で円安と株高をもたらしてきた。これが幻滅に転じる前に、実体経済で適度なインフレと賃金上昇の良循環を生み出す必要がある。時間は限られている。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130318/245150/?rt=nocnt

http://

 
》記事一覧表示

新着順:5/590 《前のページ | 次のページ》
/590